癒しのアーユルヴェーダ

美容・健康・ダイエット・若返りはインドの伝統的な自然療法『アーユルヴェーダ』で実現できる。その方法を紹介します。

アーユルヴェーダの性質 その① ヴァータ

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ヴァータ※ワータとも呼ばれます は、

空と風から構成されるヴァータは「動き」という性質を持ちます。

ヴァータという言葉は「風」を意味し、「吹く」、「まっすぐ」、「動く」、「進む」という意味をもつサンスクリット語の「ヴァ」に由来しています。もともとは呼吸からうまれる生命力(プラーナ)です。

 

ヴァータは身体と心のすべてにエネルギーを与える力を持ち、血液やリンパ液の循環、神経系のインパルスに影響を与えます。また、動く力のない他の2つのドーシャ(ピッタ、カパ)の原動力となります。

そのため、ヴァータの阻害は他の2つのドーシャの場合よりもはるかに大きく、心だけでなく身体全体に影響を与えることも少なくありません。

 

ヴァータが制御する身体の動き

・まばたき

・肺からの空気の出入り

・心臓の鼓動

・神経インパルスの動き

・消化と代謝

・排泄

・血液とリンパ液

・細胞への栄養運搬と細胞からの老廃物の排出

・全身の恒常性(バランス)

 

心と精神面でのヴァータが司るもの

・精神のバランスと健康

・頭の中のアイデア

・インスピレーション、創造性

・精神的願望

・心の順応性

・理解

・怖れ、不安、心配

・構想と創意

 

ヴァータは空間に存在する空気です。そのため身体の中の空間、例えば心臓、胸部、腹部、骨盤、骨、骨髄、脳、嚢、神経系の微細な流れなどに存在します。

下腹部にある骨盤、尿管、卵管、腸、腰はヴァータが蓄積される場所です。

太ももと臀部は身体の筋骨格の動きの中心部で、ヴァータが関わっています。

耳と皮膚、聴覚と触覚の器官も、ヴァータが司ります。

ヴァータはガスと一緒に、または筋肉や神経のエネルギーを通じて、身体から外へ排出されます。身体の中でのヴァータの役割は、空気が入る十分な空間を確保し、空気がそこで十分に動き回れるようにすることです。

空気が身体の中を自由に動き回れるのは、その道筋に障害物がないときだけです。

例えば、痙攣や痰(粘膜)は、喘息の時のように、空気が肺を通るのを妨げていることがあります。

空間が多すぎたり、動きが不十分になったりすると、気腫や便秘の時のような、閉塞や不活動を引き起こすことがあります。

 

ヴァータが優勢なヴァータ体質の人の特徴

ヴァータが優勢な人は、風のように変化が激しく、不規則な性質が、身体や感情の形成に強く現れます。背は高かったり、低かったりしますが、骨格は小さくて不規則で華奢であることが多いでしょう。歯並びが悪い、視力が不均等、鼻が曲がっているなどの特徴があることもあります。

体重は変わりやすく、不幸が生じたりストレスを感じたりするとすぐに減少することがあります。体重を増やすことが難しい人もいれば、ストレスが原因で体重が増えすぎ、消化器系の問題や摂食障害を抱える人もいます。また骨や関節が突き出て、ヒビが入りやすい傾向があります。食欲は変化しやすく、ひどい空腹を覚える時と、まったく食欲が無くなる時があります。そのため、安定的に食事をするのが難しく、不規則になりやすい傾向があります。

しかし規則的に食事をしないと、低血糖になり、めまいや脱力感を感じたり、より不安感を覚えやすくなったりします。

ヴァータが優勢な人は、寒さを感じやすく、血液循環が悪い傾向があるため、何らかの病症をもっていると、寒さで悪化しがちです。その一方、暖かさと太陽の光を愛します。

ヴァータタイプの人は活動的で多くのエネルギーを費やすため、カラカラに乾燥する傾向があります。そのため、肌や髪が乾燥しますが、このタイプの特徴である「変わりやすさ」により、乾燥する部分と油分が多い部分が混在します。

比較的若い時からしわができやすいでしょう。

また、ヴァータの傾向が高い人は、便秘になりやすいでしょう。

不安定な消化により、腸内ガス、膨満感、不快感や過敏性腸症候群などの腸疾患んじ悩む傾向もあります。ヴァータの女性はストレス、過活動、低体重などにより、月経が不規則になりやすく、しばしば月経が停止する傾向にあります。

出血は軽く痙攣性の痛みを伴うことが多いでしょう。

ヴァータの人は活動的でじっとしていられないため、リラックスすることが難しいと感じます。眠りは浅く、すぐに目が覚め、夢を多く見る傾向があり、悪夢や不眠に苦しみがちです。過度の刺激を受け、自分の持っているエネルギー以上に自分を駆り立てようとします。スタミナが落ち、疲れやすい傾向があるにも関わらず、無理をして気力を使い、最後には疲れ果ててしまいます。

 

ランニングやエアロビクスなどの激しい運動は、一時的には気分がよくなったとしても、ヴァータの症状を悪化させるでしょう。

リラックスが必要なのでヨガや太極拳などの静かな運動が適しています。

ヴァータ体質の人がバランスのとれた状態である場合、明るく熱心でクリエイティブで新しいアイデアや独創性に満ち、理想や先見性にあふれています。

すばやく思考し、早口で話し、人と一緒に過ごすことが好きで、旅行や変化を楽しみます。物事を始めるのは得意ですが、最後までやり遂げるのはあまり得意ではありません。

この体質を知る鍵は、同時に進行しているプロジェクトがいくつあるか、読みかけの本が何冊あるかなどを観察すればわかるでしょう。

また、記憶力が悪く、集中力に欠け、無秩序で怖れと不安を抱き、見当識障害、パニック障害、気分の変動などに苦しむ傾向も見られます。

 

ヴァータが優勢なヴァータ体質

・華奢な骨格、不均整。

・ストレスで体重が減少しやすい

・肌はきめが粗く、乾燥し、すぐにひび割れが起きる。髪の乾燥、便秘や関節痛がある。

日課が不規則

・食欲がわく周期や消化が不安定かつ早い

・甘い、酸っぱい、塩辛い食品や熱い飲み物が好き

・記憶力がまばらで、物事をすぐに取り込むが、簡単に忘れる

・独創性があり、アイデアにあふれ、創造的で、頭の回転が速い

・直感的、想像力が非常に豊か、現実味がなく、地に足がつかない

・快活、興奮しやすい、熱狂的、変化しやすい、衝動的に行動する。

・心配、怖れ、不安を感じやすく、気分が不安定

・眠りが浅く、不眠症になりやすい

・活動的でじっとしていられず、考えるのも行動に移すのも早い

・爆発的にエネルギーを発散するが、集中力や活動を持続するのが難しい。

・気分が変わりやすく、感情が激しい

・性的に興奮しやすいが、すぐに飽きる

・お金を稼ぐのも早いが、使うのも早い

・寒がりで、風を嫌がることが多く、寒い気候で諸症状が悪化する

・走ったり、ジャンプしたり、飛んだりする夢を見る。その多くは恐怖感を伴う

・便秘、腸のガス、腹部膨満感、頭痛、関節痛、筋肉の緊張と痙攣、月経痛、不妊症、神経障害、不整脈、乾咳、不眠などになりやすい、疲労感などを感じやすい。