瞑想の役割とは
アーユルヴェーダ医師のディーパック・チョプラ氏はこう語っています。
「アーユルヴェーダの原則に従うとは、心が身体に対して非常に深く影響を及ぼすことであり、病からの解放は、自己の意識に働きかけて、まず精神のバランスを取り戻し、そのバランスを身体にも拡大できるかどうか、にかかっている。」
心と感情のバランスを整えて、内的な苦しみをなくすために、際限なく続く心のざわめきを鎮め、内側に入っていく必要があります。
瞑想は意識を内なる自己に向けるのに役立つほか、心の状態をまったく変えて精神と一体化させる能力があります。
瞑想を通じて、意識の観察者の中に入ることにより、現れては消える、心、思考、感情、感覚の動きを観察することができます。
心の観察者になることができるということは、心は、私そのものではなく、私たちが使うことのできる道具であるということです。
瞑想による恩恵
瞑想を行うと、精神や感情のアーマ(アーユルヴェーダでいう未消化物、老廃物のこと)を取り除き、それが蓄積するのを防ぐことができます。
不安、怖れ、動揺、怒りを感じた時、一連の生理的事象が次々と起きます。
視床下部、下垂体、副腎から出たホルモンや生化学物質が身体にあふれ、身体全体に影響を及ぼします。
例えば極度のストレスを受けると、心拍数は上がり、筋肉に流れ込む血流が増えて瞳孔が拡大し、肺に多くの酸素が流れ込みます。
慢性的にストレスを受けると、身体は長期的に渡って異常に覚醒した状態で身体を守ろうとするホルモンが過剰に分泌されて、最終的には枯渇してしまいます。この影響により、オージャス(アーユルヴェーダでいう生命エネルギーと免疫のこと)が低下します。
研究により、瞑想はオージャスを増やし、ストレス耐性を高めて、コレステロール値を減らし、血圧を下げ、怖れ、攻撃性、怒りといった否定的な感情を鎮めることが分かっています。
身体に蓄積したアーマ(アーユルヴェーダでいう未消化物、老廃物のこと)が原因の、心臓疾患や高血圧、脳卒中などの病気は、瞑想によって著しく改善することが分かっています。
瞑想には様々な形がありますが、すべてに共通していることは、集中して自分の思考を観察することです。
インドでは、マントラという特別な力があたえられるという言葉を詠唱します。
それによって力場を作り、心を鎮め、身体に調和をもたらすことで深く瞑想することができるようになるのです。