意外と知らない、人間の一番強い本能
人は生まれた時から
一人では話すこともできず、
歩き方も人間としての生き方も知りません。
すべて他の人間から教わらなければならないのです。
つまり他の人間がいなければ、
あなたは人間にはなりえないのです。
人間であるということの真理はそこにあります。
そこには「共感する」という神経が必要です。
あなたが人間でいられるのは
互いに属しあっているからです。
貪欲なだけで共同生活を営めなければ、
人類は生き残れなかったのです。
神経科学の分野でも人間の共感を司る
類人猿とイルカ、もしかしたら象もミラーニューロンを持つとされています。
実験では、あるサルに他のサルの行動をみせたとき神経細胞に自分が同じ行動をしているような反応が見られたのです。
自分と他を区別しない脳内物質があるという考えは
神秘的ですが、共感的行動の根拠にもなります。
他人の苦しみに共感するのがミラーニューロンなのです。
迷走神経という神経があります。
誰もが共感を覚えるようなシーンをみると
途端に迷走神経が刺激され、胸がいっぱいになり、
人によっては涙が溢れてきます。
そして高揚感に満たされます。
心理学者のJ.ハイトは
災害時の救助活動を見せると、誰もが抱く感情を「高揚感」と名付けました。
そして人間には助け合いを好む心があると
本来、備わっていることを発見したのです。
助け合う人々をみると、
人はエンドルフィンを分泌します。
思いやりの心を身につけているのです。
私たちのDNAには平等主義と民主主義が組み込まれています。お互いを尊重し、共に生き、助け合うように生まれてきているのです。
誰かの美談を聞くだけで、この「高揚感」を得ることができます。
この素晴らしい感情のおかげで、私たちは共に生きられるのです。
時々、私たちは誰かの役に立つと
とても大きな満足感を得ることがあります。それは恍惚とも言える喜びです。
人に害を与えた時、覚える気持ちとは正反対な気持ちです。